「最近急にフローリングが滑りやすくなった」「床がツルツル滑るので、子供が転ばないか心配」
このように、今まで何もなかったのに突然フローリングが滑るようになった、という経験がある方は多いのではないでしょうか。フローリングが滑ると、高齢者や子供にとってはとても危険!犬や猫のペットだって、滑って骨折などの怪我をすることもあります。
今回は、フローリングの床が滑る原因や、その対策についてご紹介します。
フローリングの床が滑る原因とは
ワックスが剥がれてしまった
フローリングが滑る原因で一番多いのは、「ワックスが剥がれたから」ということ。「ワックス=滑る」と間違われる方もよくいますが、実はその逆で、ワックスは滑り止めのためにかけられるものなんです。
最近の住宅に使われるフローリングではどうでしょう。
現在、一般的な一戸建てやマンションの7割~8割で「シートフローリング」と呼ばれる床材が使われています。

この表面は、いわゆる「プリントされた紙」なんです。天然木ではないんですよね。
パナソニックで人気のフィットフロアなどもそう。(薄い突板が貼られたものもあります)。
シートフローリングは汚れに強いものが多いですが、小さいお子さんがいるご家庭では、食べこぼしや落書きなどの汚れは日常茶飯事。そのため、水ぶきをしたり、ワックスシートなどで表面を掃除する方も多いと思います。

そうなるとシートフローリングの表面の塗装が薄くなることもあり、また汚れたワックスや不純物が蓄積します。それがフローリングが滑る原因となるのです。
料理で飛び散った油
キッチン周りが特によく滑るということであれば、料理中に飛び散る油が原因の場合もあります。天ぷらなどの揚げ物の油は床へも飛び散り、さらに床についた油をスリッパで踏んでしまい、あたり一面に油を広げてしまうことも。
また、焼肉やオイルフォンデュをしたときに、ダイニングの床に油がはね、滑りやすくなったという方もいらっしゃいます。
シリコンスプレー
ドアや窓、雨戸の開け閉めをスムーズにさせるときに、シリコンスプレーを使うことがありますよね。これもフローリングが滑る原因となることが多いんです。

スプレーは意外と広範囲にかかってしまうもの。周りを拭き取らずにそのままにしておくと、スリッパや靴下についてしまい、知らず知らずのうちに、フローリングに広げてしまうこともあります。
また、フローリングの艶を出そうとしてシリコンスプレーを吹きかける、なんていう方もいらっしゃいました。シリコンスプレーの作り出すシリコン被膜は、滑りをよくすることが目的ですのでかなり滑りやすくなり、危険です。
お年寄の方がいらっしゃるご家庭では、使い方を間違えないよう十分ご注意くださいね。
フローリングの滑り止め対策
ワックスを正しくかける

「ワックスが剥がれてきたかな?」と感じたら、ワックスをかけなおしましょう。
ただ、ワックスは正しくかけないと逆効果になることもあります。フローリングに黒い汚れのようなものができてはいませんか?あれは、古いワックスが残ったまま上から新しくワックスを塗ったために、フローリング膜と汚れが積み重なったものなんです。
こうなると、滑り止めの効果も薄くなってしまいます。
何度もワックス掛けをした床のお手入れは、下記の手順となります。
- ワックス剥離剤で古いワックスを剥がす
- 表面を綺麗に整える
- 新しいワックスを塗る
最近では個人でも簡単にできる「ワックス剥離剤」が市販されていますので、ぜひ挑戦してみてください。
基本的には、合成樹脂系の滑り止めワックスが効果的です。ワックスの種類により滑り止め効果も違ってくるので、よく見比べて選ぶことをおすすめします。
ペットの滑り止めには、専用のコーティング剤を

近年では、フローリングのある室内で愛犬を飼育する家庭は、500 万世帯強とも言われています。そのうち、約 60%の家庭で愛犬の滑りが確認されていて、それが犬のストレスや怪我につながっているそう。(参考:株式会社リンレイ プレスリリース)
ペットの場合は活動量も多いので、人とは違った滑り止め対策も必要になります。ペット専用のコーディング剤を使用して、愛犬の床すべりを軽減してあげてくださいね。
フロアコーティングを利用する
フロアコーティングとは、さまざまな溶剤を用いて床を被膜で覆い、フローリングの表面をあらゆる汚れや摩擦から保護するものです。ワックスは「お手入れ的なもの」であるのに比べ、フロアコーティングは「塗装、施工」といったイメージです。

フロアコーティングは滑り止め効果も非常に高く、一度施工したら約20年もつのが最大のメリット。ガンガン水ぶきをしても大丈夫ですので、お手入れも楽になりますよ。
溶剤を流したあとUV照射器で完成させると、1日で仕上げることもできます。女性なら、ジェルネイルを思い出していただくと分かりやすいでしょう。施工業者に依頼することになりますので、価格が高いのがデメリットです。
油の汚れは中性洗剤で拭きとる
料理で飛んだ油が原因で滑る場合は、家にある食器用洗剤などを使い、気になる箇所を拭きとってみましょう。
洗剤を使った後は、念のため水拭きをすると小さいお子さんにも安心です。その後空拭きをすれば完了です。
ジョイントマットやコルクマットを敷く
「ワックスをかけなおすのも大変だし、フロアコーティングもお金がかかる」という方には、ジョイントマットやコルクマットがおすすめです。
特に小さなお子様がいるご家庭では、転倒の際の衝撃緩和や防音対策にもなるので、多くのメリットが生まれます。

ここで注意したいのが、ジョイントマットの場合、商品によりビニールコーティングがされているものがあるということ。ビニールコーティングは滑りやすいので、EVAなどのツルツルしていない素材のものを選んでくださいね。
コルクマットは名前の通りコルクの素材を使用しているので、滑る心配はありません。また、コルクマットは防寒対策にも最適のアイテムなので、冬場は大活躍してくれますよ。
高品質でコスパ最高のジョイントマットを販売。極厚タイプ、大判、木目調、床暖房対応など、欲しい機能がとても豊富です。
まとめ
フローリングが滑るようになると、いろいろな危険が高まります。
実は、私の祖母は90歳の時、夜中のトイレの際にフローリングの廊下で滑って骨折し、そこからずっと寝たきりになってしまいました。高齢者のいるご家庭では、廊下なども滑り止め対策をしておくことを強くおすすめします。
早め早めに対策を取ってくださいね。